今年のコンテンツはコレ! 2019

Daichi Sakota
blog.daichisakota.com
12 min readDec 31, 2019

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年末は今年ベスト系記事の季節、というのは誰が始めたか知らないけれど、なんだかんだでうちの記事も8年目です。前置きなしでいってみましょう。

過去の「今年ベスト」記事はこちら:

今年のよかった5つx2のモノはコレ! 2018年版
今年のわたしを変えたモノはコレ! 2017年版
今年の手に入れたモノはコレ! 2016年版
今年のコンテンツはとにかくコレ! 2015年版
今年の手に入れたモノ+コンテンツはコレ! 2014年版
今年の reblog(とコンテンツ)はコレ! 2013年版
今年のコンテンツはコレ! 2012年版

アベンジャーズ/エンドゲーム

今年の映画はやはりこれを抜きにして語れないと思う(その後スコセッシが「あんなの映画じゃない」と発言したことも含めて)。
前作の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」ラスト、ヒーローチームのアベンジャーズがほぼ壊滅状態になった絶望的な状況で映画は終わり、ちょっと他で体験したことのない異様な雰囲気につつまれた劇場を後にして、いったいその後どうなるか想像もつかない状態で続編となる本作を見るまでちょうどまる一年間待たされたぼくは、もしかしたら「帝国の逆襲」をリアルタイムで観た人はこんな気分だったのかなと想像した(あちらは三年も間があいたのでさぞ辛かっただろう)。
映画自体に対する感想は置いておいて(最高でした)、とにかくこのサイズのプロジェクトを十年単位で組んで、ファンが納得させるかたちできちんと終わらせることができるケヴィン・ファイギ、マーベルチーム、ディズニー、ひいてはアメリカという国に驚嘆の念を禁じえない。かなうわけがない。
エンドロール、本作で MCU 引退となる俳優たちのシルエットに重なるサインが最高にかっこいいです。必見。

スパイダーマン: スパイダーバース

同じくマーベル作品だけれど、毛色がまったく異なるアニメーション作品。原作である アメコミの Spider-Verse は日本において「あの東宝スパイダーマンも出てくるんだぜ!」という語られ方をよくするので耳にはしていた。 この映画はとにかくビジュアルスタイルですね。予告で観て最高にカッコいいなと思い、劇場で観て更にカッコよさに打ちのめされた。ただカッコいいだけでなく、キャラクターの能力を示すためにコマ数を調整していたり、きちんと意味のある使い方をしていたところも印象的だった。
観賞後、すぐに米 Amazon.com から輸入盤を買うほど好きになる映画というのがごくたまにあるんだけれど、本作はそれでした。原作も買って読んだ。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

観賞直後に最高だった! というスパイダーバースとは逆に、「観終わってから思い出すたびにじわじわよかった」映画というのもあって、本作はそれにあたる。これと「アナと雪の女王2」とで迷ったんだけど、こちらに。
シャロン・テートという人を「映画監督のロマン・ポランスキーの妻で昔カルト集団に殺されてしまった」ということしか知らなかったんだけど、マーゴット・ロビーが演じるシャロンは超チャーミングで、この先に起こってしまうことを想像してずっとはらはらしながら観賞した。この「はらはら」が映画ラストのシークエンス、ひいては映画そのものに対する印象を大きく変えると思うので、もしシャロン・テート事件のことを知らない人がいたらぜひ事件について軽く検索などしてから観て欲しい。1月に DVD と Blu-ray が出ます。
レオナルド・ディカプリオ演じるリックもまた違った意味でチャーミング(子役との一連のやりとりが最高)、そしてブラッド・ピット演じる彼のスタントマン、クリフもタランティーノ的カッコよさとブラピ的カッコよさの融合ですばらしい。
あと「犬が活躍する映画」でもありますね。あの犬すごかったな。

ザ・マンダロリアン

今年は映画「スター・ウォーズ」シリーズが完結した年でもあるけれど、あっちに言及しはじめると終わらないので置いておいて、とにかくいろんな意味での寂しさにつつまれていた時に国内リリースされたテレビドラマ。
ジョン・ファヴロー制作総指揮でマンダロリアンの賞金稼ぎを描くという前情報だけで、それ絶対面白いでしょと確信していた本作。まだ国内では第1話しか配信されていないけれど、「ディズニー以降のスター・ウォーズは全部この方式であってほしかった」と願うくらい気に入ってしまった。 ホット・トイズのフィギュア も買いました。シーズン1は全8話と短めだけれど、すでにシーズン2の制作が決定している。
日本ではディズニー・デラックスで観られます。ディズニー・デラックス自体はイマイチで、早いところディズニー・プラスに上陸してもらって統合していただきたい。

ザ・シェフ・ショー 〜だから料理は楽しい!〜

がらっと毛色が変わるが、こちらもジョン・ファヴローモノといえる。彼が映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」で組んだシェフのロイ・チョイと一緒にいろんな有名人と一緒に料理をし、食べる番組。Netflix で観られる
この番組の魅力は、やはりとにかく食べ物がおいしそうというところ。そして料理しながらなされる肩の力が抜けた会話、とにかく豪華な映画界・フード界のセレブリティによるゲスト出演、そして個人的には海外のキッチンまわりの様子を知ることができるというところ。新居設計でキッチンまわりを考える時に非常に参考になりました。
一番おいしそうだったのは(映画「シェフ」でもゲスト出演していた)「フランクリン・バーベキュー」のシェフ、アーロン・フランクリン出演回で出てきたバーベキュー・ポーク。食べたい!!

DEATH STRANDING(デス・ストランディング)

続いてゲーム。今年の個人的ゲーム・オブ・ジ・イヤーはこのタイトルにあげたい。
ゲームとして100点満点とはいえない。「運ぶ」に特化したゲームプレイは人によっては単調に感じるだろうし、とくに後半頻発される長台詞に頼ったナラティブもうまくない。でも、それを補ってあまりある新規性、そしてなにより「ひとりの作家が大企業から離れ、人との縁だけをたよりにゼロからこのクオリティのタイトルを完成させた」ということ自体が評価されるべきだと強く思う。
ぼくはお使いゲーム自体が苦にならないタイプなので、ゲームプレイ自体もとても楽しめました。意外とコンストラクション系やサンドボックス系が好きな人にもオススメできる。

Untitled Goose Game

初報からかなり楽しみにしていた、かわいいガチョウを操作して人間にいたずらをしまくるゲーム。
このゲームの開発、社内 Slack に投稿された「ガチョウのやばさを語るスレッド」が元になって開発された[らしい]。足と胸がデカすぎてやばい、そのわりに尻が小さすぎてやばい、鳴き声がやばい、白とオレンジの2色なのがヤバい、などなど。で、この感じが個人的には超よくわかるんですよね。
ゲーム性としてはパズルゲームなんだけど、それは置いておいてガチョウのふるまいが面白ウザかわいくて楽しすぎる。また、大切なものを水に落とされたり壊されたりして嘆く人たちを見るのが楽しすぎる。普段ゲームをしない人でも楽しくプレイできるのでぜひチェックしてください。
このゲームのよさを妻に力説していたら「そんなにガチョウでのいたずらが楽しいなんて、ふだんなにか溜め込んでるんじゃないの」と言われた。

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ

FF14 とぼくの付き合いは長い。なにせ旧 FF14 の PC 版発売日初日に買って、それ以来ほぼ切れ目なくプレイし続けている。
ローンチに大失敗した後、奇跡の大復活をなしとげたこのゲームをぼくはひいきにし続けながらも、どこかほかの人に強くオススメできない気持ちを抱え続けていた。それは月額課金の MMORPG という昨今とっつきにくいスタイルであったり、オートマッチングによるダンジョン探索を強要されるゲームシステムであったりもしたが、大きなポイントはストーリーの語り方や展開にあったと思う。シナリオ、カメラワーク、演出、キャラクターの芝居が、MMO としては頑張っているもののやはり近年の AAA タイトルと比べると一段落ちる感が否めなかったためだと思う。
ところが今年リリースされた拡張「漆黒のヴィランズ」はまさにそのポイントが抜群によかった。感情移入できる悪役がいて、台詞に頼らないキャラクターの表情による表現が多用され、過去のストーリーをふまえた素晴らしい物語展開があった。終盤では冗談抜きで涙ぐんでいた。今年やったゲームの中では一番のストーリーだった。
ただ、人へのオススメという意味では難しいのが、この感動は今までの FF14 をずっとプレイしてきたからあるんだよなぁ……というところ。ヴィランズのストーリーへ到達するまで数十時間のプレイを要するので、これまたオススメしづらいのが心苦しいところではある。とりあえず時間制限のない無料体験があるのでそちらを触ってみてほしい。

Pinterest

急になんだと思われるかもしれないけれど、これは非常に個人的なことです。
今年は家を建てるための土地をみつけ、新居建築が一歩前へ進んだ年だった。新居はこんな感じにしたいな、というぼんやりしたイメージはあったものの、それが具体的な絵として設計事務所へ提示できないとイメージから離れたものができあがってしまうだろうなと思ったぼくは、「ひたすら戸建の外装・内装の写真を見る」という「勉強」をはじめた。
これまであまり使っていなかった Pinterest を毎晩寝る前に iPad で開き、その時気になっているワードで検索し( bathroom とか kitchen とか)、写真を眺めてイメージに合致していると思ったものや参考になりそうなものを pin していく。その pin の先で似たような画像をみつけてさらに pin する。こういった作業に特化した設計になっていることがヘビーに使ってみてはじめてわかる。デザイナーとしていくつか言いたいことはあるものの(特にウェブ版の「戻る」リンクの使いづらさは筆舌に尽くしがたい)、このサービスがなかったらぼくの家はより満足度の低いかたちでできあがっていたかもしれない。
ぼくの家に関する参考写真を集めた board は こちら 。いま見たら pin の点数は 1,600 を超えていた。

Lo-fi Hip Hop

音楽です。ぼくは音楽に対する自分の熱量は周囲のほかの人たちより低いと思っているんだけれど、よい音楽を聴きたいという気持ちがないわけではない。去年はブラック・カルチャーに改めてハマり、結果 Hip Hop をよく聴く年だったと思う。それでは今年は?
今年は Lo-fi Hip Hop という比較的新しいジャンルをよく聴いた一年だったように思う。知らない人に説明すると、これは Hip Hop と名前がついているもののラップは乗っていないことが多く、基本的にはジャジーでチルなトラックが延々流れているというものだけれど、特徴はそのサウンドにノイズが乗りまくっていたり、のびたテープで再生しているようにヨレヨレになっていたりするところ。これが独特の味わいになっている。また、なぜか日本のアニメがカバーアートに採用されていることが多い。このあたりのサンプリング感覚が Hip Hop なのかもしれない。よくわからない。
最近は音楽を聴くにあたり、今はこういうジャンルの音楽を流したいなというくらいの気持ちで Spotify のプレイリストをだらだら流す、というスタイルになってきており、そのスタイルともマッチした。この記事も Lo-fi Hip Hop を聴きながら書いてる。
Lo-fi Hip Hop ブームの火付け役のひとり ChilledCow によるプレイリストはこちら:

Keychron K2

最後だけ急にコンテンツじゃなくてハードウェアだけれど、今年はあまり心踊るハードウェアを手に入れることができなかった中で唯一テンションが上がったキーボードについての話を。前述の音楽と繰り返しみたいになるけれど、この記事も K2 で書いている。
昨年末に注文した iMac Pro が年始に届き、今年は一年これで仕事をした。付属キーボードのフィーリング自体は嫌いではないものの、フルキーボードは好みではない。コンパクトでワイヤレスで、できればメカニカルのキーボードが欲しかった。
いくつか試した中で一番よかったのは HHKB Lite だったが、無線接続時にキーがチャタリングする、接続が勝手に切れる時がある、という致命的な欠点があった。ほかになにか候補はないか、と探している中でみつけたのが Kickstarter で[キャンペーン]をやっていた(ぼくが買った時にはすでに終了していた)keychron K2 というキーボード。
このキーボードは、ぼくが要件として出していた「 Mac 対応、メカニカル、できれば軽めのスイッチ(わかってる方に説明するならば茶軸っぽいやつ)、コンパクト、カーソルキーがついている、無線接続」というポイントをすべてクリアしていた。しいて言うなら一番右の列に pgup や home 等のキーがついていてこれは個人的には不要だったが、目をつぶれる範囲だった。接続に問題もなく快適に使え、とうとう巡り合えた! という気持ちだった。
使い始めた直後にコーラかなにかを盛大にこぼしてしまう、という大事件もありつつ(分解と水洗いでなんとかなりました)、今でも元気に動いている。しばらくはキーボードを替える必要はなさそうだ。興味がある方は こちらのリンク から買っていただくと割引になります。バックライトやスイッチの種類は好みに応じて選ぶことができる。フル・キーボード版の K4 という商品もあるみたい。

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