AlpacaJapan 株式会社に入社しました(デザイン受託制作は引き続き行います)

Daichi Sakota
blog.daichisakota.com
5 min readSep 2, 2019

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なんと今日から(正確には昨日から) AlpacaJapan 株式会社の一員として働くことになった。

AlpacaJapan 株式会社とは

AlpacaJapan 株式会社(以下 Alpaca )は、公式ウェブサイトの説明によると「AIとビッグデータ技術を活用した金融プロダクトの開発」を事業内容とするスタートアップ。
実はこれまでも外注として取引していただいており、付き合いがけっこう長い。4年くらいかな? もしかしたら多くの社員の方々より Alpaca との付き合いは長いかもしれない。

今回ぼくはデザイナーとして入社し、Alpaca が手がけるすべてのプロダクトのトーン・アンド・マナーをととのえる仕事、一貫した UX を提供するためのデザイン・システム(デザイン・ガイドラインや UI コンポーネントのライブラリを含むデザインまわりのルール類)の構築、あともちろんウェブサービスの情報設計を担当する予定になっている。

なぜ入社したのか

ありがたいことに、いままで多くのスタートアップ企業に「うちへ来ないか」というお声をいただいていたのだけれど、「フリーランスの働き方が気に入っているので」とお断りしていた。ではなぜ今回 Alpaca へ入社することにしたのか?

一番の理由は「タイミング」ということになると思う。
フリーランスのデザイナーとして活動してきて、時間や場所などについては自分の裁量で働けることを気に入ってはいたものの、あくまで立場は「外の人」なので本気でどっぷりコミットできる仕事がないことに寂しさを感じてもいた。また、長いこと引き受けていたとある案件が先方の経営判断により終了になってしまい、外部の人間としての不安定さを味わうと同時に大きな収入源を失ってしまったタイミングでもあった。おりしも住宅ローンを組んで家を建てようとしているところで、安定収入について考えているタイミングだった。そこへちょうどお声掛けいただいた。
これはつまり逆にいうと、このタイミングになるまで声をかけ続けていてくれたということです。本当にありがたい話だ。

また、もし仮にフリーランスをやめて就職するなら VR か AI に関わる会社がいいな、とは常々考えていたので、その点も合致した。

あとは「条件が非常によかった」というのももちろん外せない。条件とは金銭面でなく(そちらも満足いくものだったけれど)、自分がパフォーマンスを出せる働き方が許容されるかどうかだ。
簡単にまとめるなら、働き方はこれまでのフリーランスであった時とほぼ変わらないといえる。家で仕事をし、ほかの会社や個人から依頼される仕事も引き続きお受けしていく。

フル・リモート

年収やポストについて、ぼくから要望はひとつも出さなかった。そのかわりに譲れない条件として「在宅勤務」を提示させていただいた。

大きな組織で仕事をしたことがある身としては、同じ拠点にメンバーが集まっているからスムーズに進む仕事というのは多くあるとわかっていたし、会社側としても正直にいえば出社してほしいんだろうなというのは十二分にわかっていた。
でも、新しく建てる家から出社しようとすると時間がかかりすぎることと、何よりぼくの人生において「家にいる」ことは色々な面でとても大事なことである(これについてはいずれまたきちんと書きたい)ということをお話ししてご理解いただいた。

フル・リモートの人間として、拠点にいなくてもパフォーマンスを出す。また、そのための知見を会社にためていき、今後の在宅勤務希望者が効率的に働けるようにする。
これも Alpaca においてぼくに課せられた役割だと認識している。

引き続きご依頼をお待ちしています

とはいえ、フリーランスをやめてどこかの組織に所属することで、「自分ひとりで仕事を引き受けられる」という立場や人脈がなくなるのは嫌だった。
今後、パラレルキャリアは普通のことになっていくとぼくは考えている。日本においても実際、以前よりもだいぶ普通のことになった。そうですよね? 自分がその方向で働き方を考えるなら、同時にふたつの組織に所属するのではなく、ある組織に所属しながらフリーランス的に受託の仕事を行っていくのがベストだろうと考えた。

というわけで、UI デザインや情報整理、UX デザイン、ロゴデザインの仕事は引き続きお受けしています。こんなことが許されるなんて素晴らしい会社ですね。
ただし、当然 Alpaca の競合になるような分野の仕事は社のきまりとしてお受けできない。

おわりに

7年前、前職であるヤフー株式会社へ出社した最後の日。
退社の手続きを終え、後輩に見送られて会社のビルを出た瞬間に「どこにも所属しないということがこんなに心が軽くなることだとは!」と強く感じたことを思い出す。冗談抜きで、幼い頃に保育園へ入って以降すべての時間をどこかに所属して過ごしてきたぼくが、どこにも所属しないいち個人になった瞬間。人生におけるもっとも素晴らしい瞬間のひとつだ。

そのことを思い出すと、働き方がほぼフリーランスと変わらないとはいえ、どこかの組織へ所属することに一抹の寂しさはある。ぼくはフリーランスとしての働き方、生き方が本当に大好きだった。

でも、40歳を目前にしてふたたび会社に所属し、全力で仕事をすることで新しいことを学んだり、仲間と連携しながら会社自体を大きく育てることに寄与していくことのワクワク感の方が今は大きい。
Alpaca から面白いプロダクト(素敵なデザインの!)を発信できるよう頑張っていきますので、今後も引き続きよろしくお願いいたします。

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